習い事。ピアノの練習がつらかった子供時代。
かく言う、わたしもピアノを全く練習しない子供でした。
小学生から高校1年生まで、同じ先生に教えてもらいましたが本当にハッキリ言って「キライ」でした。
時々、忘れたふりをして予約をすっぽかすほど、いやだったんです。
ピアノ教室に行くのが。
ただ、それから20年以上たってから、気づいたんです。
私が嫌いだったのは、ピアノではなかったんです。
その先生の雰囲気と、選曲が、わたしの好みではなかった。
ただそれだけのことだったということに、気づいたのです。ようやく。
確かに、「ピアノが嫌い」と言いながら
疲れ切っているはずの仕事帰りに、駅ビルの新星堂クラシックコーナーのヘッドフォン視聴スペースに入り浸り、ドビュッシーのピアノ演奏を聴いたりしていました。
そのうち、「ああ、わたしはきっとリスナー専門なんだわ。演奏家タイプではない」と勝手に結論を出していました。
それがある時ふと考えたわけです。
あの先生が、もしドビュッシーやフォーレを選曲してくれていたら?
もしももしも亡き王女のためのパヴァーヌなんかを選曲してくれていたら?
わたし絶対にのめり込んだに違いないって。
それなのに先生は、わたしにトルコ行進曲とか、アルプスの鐘とか、演奏するどころか聞くだけでも耳障りだった(お好きな方には失礼!個人的な好みです)曲をなぜかいつも選んでくる・・・。
まあ、あとで音楽に詳しい友人にきいたところ、私の好みだった曲を教えられる先生自体、まだまだレアだったようですから、特に昔はそうでしょうね。
それにしても、私も当然子供ですから「何がわたしをやる気にさせないのか?」なんて考えもしないわけです。
わー、やだ、もう面倒くさい。って思うだけ。
ただ、わたしの親は音楽家でしたから、
自宅では毎日朝から晩まで、レコードがかかっていてジャンル問わず音楽漬けの日々だったわけで、わたしの好みくらいわかったはず・・・・
と、父にはこの話してみました。が、
親も当時は、子供にそこまで好みがあるなんて思いも寄らなかったようですよ(笑
でも、子供って大人が思う以上に繊細に聞き分けてる。
というわけで、
もし、お子さんが音楽の習い事が気が進まないようでしたら、「もしかして曲、気に入らない? 先生の雰囲気はどう?」って聞いてみるのも良いかもしれませんね。